こんにちは。
下北沢ルミアージュクリニック、形成外科医の栄です。
本日は、眼瞼下垂症手術(挙筋前転法)について記載していきたいと思います。
一般的に眼瞼下垂とは、まぶたを持ち上げる機能が低下し、まぶたをしっかり挙上できない状態です。
つまり目が開けにくく、代償として前頭筋でまぶたを挙げようとするため、眉毛が挙上し、額には横皺が入ります。
随伴症状として、頭痛や肩こり、乱視などが起こり得ます。
眼瞼下垂はその原因から先天性と後天性に分けられ、後天性の原因としては長年のコンタクト使用歴が挙げられます。(先天性については割愛致します)
また眼瞼下垂は前葉の下垂と後葉の下垂に分けられます。
つまり、どの部位が原因で下垂症状が起きているのかという分類です。
前葉の下垂とは、前葉を構成する皮膚や皮下脂肪などが重く弛緩している状態です。
シャッター(扉などなんでも可)に例えますと、シャッター自体が重いため、開けるのに必死な状態です。
一方、後葉は、上眼瞼挙筋(腱膜)のことです。この場合はシャッターの重量は変わらないけれど、シャッターのばね(シャッターにばねがあるのかは不明)の力が弱くなっており、これまた開けるのに力が要る状態です。
前葉による眼瞼下垂は偽性眼瞼下垂、後葉による眼瞼下垂は真の眼瞼下垂と表現されます。
このように、眼瞼下垂は、その成因などからいくつかに分類されます。
それに応じて治療法も異なってくるため、必要な分類なのです。
また成因も一つだけでなく、複合的に絡み合っている場合もあります。
さて、写真の患者さんは、右の上まぶたが明らかに下がっており、瞳孔(黒目の部分)が隠れている状態でした。
しかし、よくよく観察すると、左眉毛が挙上しており左が真の眼瞼下垂で、右にも真の眼瞼下垂が軽度ありましたが、加えて前葉の下垂による偽性眼瞼下垂も合併している状態でした。
両まぶたを手術する選択肢もありましたが、まずは整容的・機能的にも症状の強い右まぶたを優先して手術を行いました。
手術は、もともとの二重線を切開し、その奥にある眼瞼挙筋を同定します。
癒着していることが多いため、その癒着を丁寧に剥がすと、これだけでも開瞼(瞼を開けること)は改善します。
続いて、挙筋腱膜を瞼板というまぶたにある硬い組織に縫い付け、開瞼の程度を確認し大丈夫そうなら手術終了です。
写真の患者さんは、挙筋腱膜を固定し直すことで後葉の下垂を改善、そして二重の折れ込みを作ることでも前葉の下垂が改善されました。
1週間後に抜糸、1か月後、3か月後、半年後まで経過を診ます。
内出血や腫脹は1週間目までがピークで、その後消退していきますが、完全に腫脹が落ち着くのは1か月以上経過してからです。
実は私自身も眼瞼下垂の手術は経験しており、まぶたが開けやすくなり、受けてよかったと思っています。
このように、手術を受ける側の気持ちも、する側の気持ちもよくよくわかりますので、何かご不明点・不安な点がありましたら、いつでもご相談頂ければと思います。
手術は、診察の上、症状があり眼瞼下垂症があると判断しますと保険適応ですが、あくまで整容改善目的で診察上は保険適応がないと判断する場合は自費診療となります。
【保険診療】
眼瞼下垂症手術(挙筋腱膜前転術)
手術費用:47,520円(3割負担額)
考えられる副作用、リスク:出血、感染、傷の離解、傷跡、左右差、開瞼不十分、開瞼過剰、再建正術の可能性など
当院では術後1か月、3か月、半年までの術後の経過を診させて頂きます。
【保険適応外の場合】
手術費用:165,000円(税込)
※モニター料金:143,000円(税込)
症例写真などにご協力頂ける患者様には、モニター価格を適応させて頂きます。
月曜、金曜日は、目の下のたるみ治療、上まぶたのたるみ治療(眉下皮膚切除)などの目周りのオペの診療をおこなっております。
今後、眼瞼下垂のオペなどもご相談に乗っていきますので、お悩みの方は、まずはカウンセリングからお越し頂ければ幸いです。
お客様に寄り添った丁寧な診療を行わせて頂いておりますので、安心してご来院頂ければ幸いです。